2022/03/02 2022/03/03
【blog】評価するということ
みなさんは「評価」という言葉にどのようなイメージを持っていますか?
おそらく、私の周辺だけで考えてみても賛否が分かれるかもしれません。
一概に結論を出すことはできないからこそ、私たちならどうすべきか、考える必要があるように思います。
私は選手を評価することで、こんなことができたらと考えます。
①問題の可視化
②洞察力とコーチング(伝える力と方法)の向上
③目標の明確化とハングリー精神
(パフォーマンスの評価も大事ですが、ここではより多角的に考察します)
とあるカテゴリーで上の学年に呼ばれた選手に置き換えてみます。
その選手は、本人も上の学年でプレーすることを望んでいます。
しかしながら、その日は本調子ではなく、ボールを奪われ、ピンチを招いてしまう場面が多く見受けられました。
普段一緒に練習していないことや相手が一学年上などを考慮すれば、パフォーマンスに対する評価を焦る必要はありません。
ところが、その選手は次の日の練習もいつもと変わらない時間に来ました。
決してやる気がないわけではなく、本人も突発的に思うところはあったはずですが、とくに指摘されることもなかったのでスイッチが入らなかったのだと思います。
ただ、その選手は普段から「まじめ」とか「かしこい」と評価されることが多いので、見る人が見たら首を傾げてしまう可能性があることを客観視できなければなりません。
ここでのポイントは、いかにして選手の考え方や行動を軌道修正させるかです。
この手の話は、第三者から真意が伝わると思いの外スムーズにことが進むかもしれません。
ここでいう「第三者」とは、コーチです。
コーチが、「監督、こんなこと言ってたよ」とか「本当にまじめでかしこい選手だったらこうだと思うんだ」と伝えるだけで問題を直視させることができたかもしれません。
重要なのは気づかせることで、それがサッカーで大切だということを理解させることです。
もし、上の学年で挑戦したいという気持ちが本物なら、きっとその後の行動は変わるはずです。
このように、選手を適切に評価することで目標に向かって努力するモチベーションを与え続けることが指導者に求められる役割の一つです。
育成の現場では、コーチが選手に「もっとがんばれ」と声をかけているのをたまに見かけます。
ほとんどの選手が好きでその場にいるはずなのに、私にはその光景が不思議に思えてなりません。
おそらくまだ問題が可視化されておらず、お互い何から手をつけたらいいのかわからないのかもしれません。
評価には責任が伴います。くれぐれも権力を振りかざすことがないよう気をつけましょう。
これからスクールのセレクションが行われますが、意にそぐわない結果に落胆する選手がいるかもしれません。
私たちはそれでもなお毅然とした態度で向き合わなければなりません。
私たち大人は地に足をつけ、「大切なのはその後だ」と繰り返し伝える必要があります。
挫けたとしても、一年後に逞しく成長して戻って来れたなら、それは成功と言えるのではないでしょうか。
全ての選手にとって自分自身と向き合うきっかけとなることを願って、私たちは今日も現場に立ち続けます。